手しごと日記:黒に染める

草木染めでしっかりとした黒に染めることはなかなか大変なことです。今もあれこれ試行錯誤しながら黒に近い色に持っていく感じが続いています。

黒染めに用いる植物染料の代表といえば、中央アメリカ原産のマメ科の木のログウッド。濃く染まる染料のひとつですが、わりと色あせも早いのです。布を染めて置いておくとあれ?っと思うほど色あせていることもあります。この色あせが気になって、ログウッドを使うことをためらう時期もありましたが、黒からグレーに色あせたストールに、藍を重ねたらとてもいい色に染まったので、色あせることに対する負のイメージが消えました。草木染めは化学染料に比べると日光堅牢度が劣ると言われていますが、気軽に染め重ねることができる点は草木染めのすばらしさのひとつだと思います。色あせた色からしか出せない色もあり、何度も重ね染めを続けることでどんどん奥深い色合いになっていくのが、草木染めの本来の醍醐味なのではと思っています。

リネンストール

さて、今回オンラインショップに出している、黒のリネンストールは、3種類の植物染料を使って黒に染めています。今回の黒はかなりしっかりした黒に染まりました。ログウッドは、鉄媒染をすると黒やグレーになりますが、もともとの煮出した染液は、赤っぽい色をしています。

草木染め

ログウッドでグレーに染めたあとに藍で重ねました。これは畑で育てている藍の乾燥葉から染めています。

藍

そして最後に、ヤシャブシの実を重ねて鉄媒染した結果、こっくりとした黒になりました。ヤシャブシは黄みがかったベージュ系に染まる染料です。

ヤシャブシ

こうして考えてみると、ログウッドの赤、藍の青、ヤシャブシの黄で、赤青黄を混ぜると黒になるという方程式に当てはまったということなのかなぁと。

黒染め

でもまた同じように染めても、なぜか微妙に違う色に染まるので、そこが思い通りにいかない草木染め。まあ、それはそれでよし!というおおらかな気持ちでいるのですが、黒のストールをお探しの方は、今回の黒はかなりおすすめです。

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