手しごと日記:Zero Waste Sewing

梅雨らしい日々が続きますね。洗濯物も部屋干しが多くなってきました。あの、生乾きのニオイの季節です。我が家の洗濯洗剤は、100%生分解する「海へ...(がんこ本舗)」という洗剤を使っています。でも野良仕事で汗をたくさんかいてしまう夏は衣類の臭いが気になることも多い。そんな時は大きな鍋で衣類を煮るに限ります。衣類を水から火にかけ、ぐつぐつする手前で火を止め、朝まで浸け置き、その後いつも通り洗濯をすると生乾きでも臭いません。ストレスフリーです。煮沸殺菌って原始的だけど、一番効果的だと思います。あ、この方法は普段着のTシャツやタオルにだけです。素材はコットン100%のもので、ポリエステル系はシワになりますのでご注意くださいね。

さて、何度もブログに書いていますが、私はなるべく環境に配慮した栽培方法で野菜や草花を育て、それらの植物から布を染め、その布でモダンキルトや雑貨を制作しています。自分で染めた布を使うようになってから、布をむやみに捨てることがなくなりました。とにかく手間と時間をかけて染めた布は、とても大切な存在。最近では、染めるための布も最低限しか買わないし、安いからといってあれこれ買ってストックしたりもしません。洋服もそう。通勤という行動がなくなった今は、お出かけ用の服は数着あればよし。あとはほとんど同じような服で過ごしています。年齢とともに、それほど人の目を気にしなくなったというのもありますが、住む場所やライフスタイルの変化が一番大きいのかもしれません。半分は外で過ごしているようなものですから、当たり前っちゃ当たり前なのですが。

布を使って制作をしていると、どうしても小さなハギレが出てきます。それらの布と布をつなぎ合わせて作るパッチワークは、最近よく耳にする言葉で言うと、サスティナブルな制作だなぁと思います。捨てずに使い切るにはパッチワークが一番!それと、先日ブログにも載せた会津の野良着「さるっぱかま」も、布を無駄なく使って作る先人の知恵の宝庫で感動的でした。これからの時代のソーイングも、ゴミをなるべく出さない方法でやっていきたいものです。BOROなんてほんとサイコーにお洒落ですから、これをお手本にしていきたいです。

本

やっと完成した草木染めのヘアバンドはゴミを出さない「ゼロウェイストソーイング」で作りました。インドの手仕事布のカディコットンを染めたのですが、染めむらが多く入ってしまいストールとしては販売できないので、この生地をどうしようかと考えていました。この時期になると野良作業でヘアバンドが必須で、以前作っていたヘアバンドとは少し形を変えてみたらとてもいい感じのつけ心地になったので、もう一度ヤシャブシを重ねて染めて、ヘアバンドとして再生することができました。

草木染め

残った小さな四角いハギレは、袋状に縫って種用の保存袋にしてみました。今年採種した空豆の種を入れてみたら大切なものっぽくなりました(笑)。

こういう制作の上での、ゴミを減らすというような行動は、外からは見えづらく自己満足に近い部分があるのですが、意味のあることだと思っているので、続けていこうと思っています。

ゴミを出さないソーイング

日々の暮らしの中でなるべくゴミを出さないように考えるのは楽しい。身近なものを再利用して、生活に必要なものを自分で作ってみると新しい発見もあります。ただ捨てるのではなくて、着なくなった洋服はウエスにして使い切るとか、いくつか役割を与えるだけでも環境への負荷が減らせます。BOROの本を眺めていると、厳しい暮らしということもあったと思うのですが、ボロボロな布も糸で補強して使っていたかと思うと、まだまだ足元にも及ばないなと。本来のサスティナブルな暮らしのお手本は、昔の人の物を大切に使う心と、知恵の詰まった暮らしの中にあって、実はとっても地味なことの繰り返しにあるのかもしれないなと思うのです。

そんなことを考えながら日々制作しています。