野良日記:種をつなぐ

箱根山麓の畑は、すっかり秋の気配をまとっています。夏の間は草の勢いに飲み込まれそうでしたが、今は徐々に落ち着いてきて、草刈りも夏の半分ほどの時間で済むようになりました。今の時期は、大根や蕪などの種を播いたり、旬の野菜の枝豆やハヤトウリを収穫したりしています。食べることに夢中で、種とりを忘れがちですが、種ができた順番に封筒に入れて保管していきます。地味な作業も多いのですが、自然の恵みをいただくには欠かせないことですので、ひとつひとつこなしていきます。種はとにかく多めに保存します。笑われてしまうかもしれませんが、常に危機意識を持って生きることは大事なことです。今年はこの野菜の栽培はやめようなど安易な気持ちを持っているとあっという間に種はそこで途絶えてしまいます。いつまでも買えるとは限らないので、私がこの種を守るわ!くらいの気持ちでいたいと思っています。

たねをつなぐ

グリーンピースの種。グリーンピースは11月頃に種を播きます。

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花類はこぼれ種で翌年畑のどこかしらから出てきますが、保険として必ず種とりはします。

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ハトムギはうまく育ちません。毎年種分くらいしか収穫できないので、ほとんど口にすることがありません。来年こそは!と挑み続けて5年になります。

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最初の頃は、種をガラス瓶に入れて保存していたのですが、今は封筒や缶を使っています。乾燥があまいと種もカビます。しっかり乾燥させて、封筒に入れる保存方法が今のところベストです。

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種を入れた封筒は、紙の靴箱に入れて保管します。今では4箱分の種があります。

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空豆も11月頃に種を播きます。

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種もいろいろなカタチがあっておもしろいなと思います。それぞれの種が持つ本来の力を発揮できるように手助けしてあげることが野菜を育てるコツかもしれません。それには、野菜の栽培方法のことだけじゃなくて、自然のこと、土のこと、虫や動物など自然界のことにも目を向けて学んでいく必要がありそうです。