草木染め5:ヤシャブシ

草木染めの中で、好きな植物はヤシャブシ。松ぼっくりを小さくしたような実です。保存ができるので、とても重宝する草木染めの染材です。ヤシャブシは昔から鉄媒染で黒染めに使われていたそうで、木綿や麻ですと、とてもきれいなグレーに染まります。去年、拾い集めておいたヤシャブシでインド木綿のガーゼストールを染めました。

染める布の重さの半量〜同量の実が必要です。半量でも十分に良い色に染まります。

ヤシャブシ

1〜4番液を煮だします。

茶色

いつものように70度まで染液を上げながら、30分煮染め→媒染液→煮染めを繰り返します。

アルミ媒染

ミョウバン液で秋らしい落ち着いたブラウンに。

鉄媒染

鉄媒染で落ち着いたグレーに。

ヤシャブシ

グレーのストールは、ムラの多いストールになりました。たんぱく処理の代わりに、薄めた柿渋液で下染めしてから染めたことがムラの原因です。おそらく均等に柿渋液が浸透していなかったのでしょう。一度ムラになったところは、何度重ねて染めても、ずっとその部分はムラのまま色が重なっていきます。最初が肝心なんだな。