草木染め17:クサギの実でウールを染める

先日収穫し冷凍保存しておいたクサギの実でウールの毛糸を染めました。ウールはまだ経験が浅いので、草木染めの本で手順を参考にしながら染めました。今回参考にした本は、「新装 草木染 四季の自然を染める/山崎和樹」「自然の色を染める 家庭でできる植物染/吉岡幸雄」「草木染め大全/箕輪直子」「鎌倉染色彩時記/たなか牧子」の4冊です。

 

今日はクサギの実200gで100gの毛糸を2つ染めます。1つめの毛糸は、1+2番液を合わせた液で染めます。2つめの毛糸は、クサギの実をつぶして3+4番液を合わせた液で染めます。クサギの実は媒染は必要ないということですので、今回媒染の工程はありません。

染める前の下準備として、毛糸はカセ(輪っか状になっている糸の束)にしておきます。鍋の中で糸が絡まないようにするためです。カセの方法は「草木染め大全/箕輪直子」の中で丁寧に説明されていますのでオススメです。

毛糸の染め方

40℃くらいのぬるま湯に毛糸を浸しておきます。

ウールを染める

クサギの実を200g用意します。

クサギ

クサギの実200gと水1.5Lを鍋に入れて、沸騰後約20分煮出します。ザルでこして1番液と2番液を合わせます。煮出している時の匂いは香ばしい豆の香りがします。

ウール染め

3番液からは実をつぶして煮出します。2番液を煮出した後の実を木の棒などでつぶします。

青

つぶしたクサギの実と水1.5Lを鍋に入れ、沸騰後約20分煮出してから濾します。カスが多いので、布などを使って濾したほうが良いです。4番液まで同様に煮出して、3番液と4番液を合わせます。下の写真は、1番液と2番液を合わせた時の色です。美しい色です。

草木染め

毛糸は急激な温度変化に弱いので、1+2番液の鍋に水2Lを加えて温度を下げた後に、ぬるま湯に浸しておいた毛糸をそっと染液に沈めます。

ウール

薄いガーゼをのせて、落し蓋のようにして染めました。ちなみにこれはどの本にも書いてありません。染液から毛糸が出ていたので、急に思い立って布を乗せてみました。

毛糸

毛糸は温度を徐々に上げて最終的に90℃くらいまで上げて染めます。ウールは急激な温度変化に弱いのですが、高温でないと染まりません。沸騰直前で火を弱め約1時間ほど煮染めし、液が冷めるまで置いておきます。液が冷めたら、ぬるま湯で優しく洗い、脱水して干します。

草木染め毛糸

右が1+2番液で染めた毛糸。左が3+4番液で染めた毛糸。写真より実物の方がずっと色がきれいな色です。

クサギ

まだまだ実が採れますので、ぜひクサギで美しいブルーに染めてみてください!